UXUIデザインからデザイナーの採用まで、すべてのプロセスを伴走

UXUIデザインからデザイナーの採用まで、すべてのプロセスを伴走

—他の事例についてお聞かせください。

中村:私からはYper株式会社のOKIPPAの事例についてお話します。はじめはアプリのリニューアルについて2019年の1月にご相談をいただき、それから約2年間に渡ってサービスのグロースのために伴走させていただきました。

具体的には、すべてのクリエイティブ制作はもちろん、アプリの新機能の提案やマネタイズのための設計、ビジネスモデルの提案、さらには今後サービスが目指す方向性についての議論から、事業成長のための戦略の策定まで、サービスに関わるほぼすべてに関わらせていただきました。最終的には、インハウスデザイナーの採用にも携わらせていただきました。

中村さん

––まずはアプリのリニューアルプロセスについて教えてください。

中村:2度リニューアルを行い、段階を分けてリニューアルをしました。まずはスピーディーに提供するために情報設計の見直しやデザインガイドラインの再考など、UIを再設計し当時のアプリをユーザーにとって使いやすいアプリとして整えるリニューアルをしました。その後、サービス全体の目指すべき方向性や調査、戦略検討を重ねよりサービスの価値を高めていくために機能まで再設計した上でのアプリのフルリニューアルを実施しました。

–どのような議論をされたのでしょうか?

中村:フルリニューアルを実施するにあたって、今後のビジネス展開を視野に、アプリとしての強度を上げていくための議論を重ねていきました。本サービスが持つ本来の目的は、社会課題となっている再配達をなくすことであり、ユーザーがこのアプリを使用することで、サービスの目的を達成することができるかが重要となります。そのためには、アプリのリニューアルといった視点だけではなく、再配達という課題に向き合う必要があります。

OKIPPAに関する資料

再配達が社会課題となっている背景には、配送員の方々の労働時間が1日で100万時間ほどが再配達に充てられていると言われており(2019年当時)、業界が圧迫されてしまっているという実態があります。そのことをより深く理解するために、配送というビジネスドメインに関わるすべての情報を知る必要があるので、各配送会社のロジスティクスの仕組みについてのリサーチや、ユーザーインタビューを実施しました。

––リニューアルの内容について教えてください。

中村:このアプリを使うことで配送会社を問わずすべての配送ステータスを正確に管理することができ、再配達が発生しないためにユーザーに対して適切なタイミングで通知ができるなど、サービスが目指す課題解決が実現できるアプリとなるべく、設計全体を見直した上でのフルリニューアルフェーズへと進んで行きました。アプリの全画面を刷新することはもちろん、コピーライティングやApp Storeに掲載されるクリエイティブなど、アプリに関するすべてのクリエイティブのデザインを行っています。また、アプリのユーザー数獲得のためのキャンペーン企画や広告運用にも携わっています。

リニューアルにあたって制作された「OKIPPA」のクリエイティブ

リニューアルにあたって制作された「OKIPPA」のクリエイティブ

––アプリのリニューアル後のプロセスではどのような関わり方をされたのでしょうか?

中村:リニューアル後は、引き続きユーザー調査、分析を行いながら、順次改善のための取り組みを実行に移してきました。さらに並行してデータの分析を実施した上での課題の抽出を行い、課題の解決のための戦略の策定・実行といったグロースハックを実施しました。結果、パートナーとなった当初と比べて、月間のアクティブユーザー数は5倍まで成長することができました。

––最終的にはデザイナーの採用まで実施されたとのことですが、採用プロセスについて教えてください。

中村:プロジェクト当初より、クライアントからはデザイナーを採用したい旨を伺っていたので、どのようなデザイナーを採用するべきなのかを話し合った上で適切なターゲットを設定し人材要件化する事から、アプローチ、訴求方法の検討までを行っていました。OKIPPAのサービスとマッチングしたデザイナー人材を採用するために、我々が求職者に対しての面接も実施しています。最終的には1名採用することができ、現在インハウスデザイナーとして活躍されています。

一気通貫したデザインとコンサルティングで、クライアントを成功に導く

––クライアントの事業成長にコミットするデザインコンサルティングファームとしての構想は、どのように生まれたのでしょうか?

中村:セブンデックスの創業にいたるまでに、自分たちでさまざまな事業開発を行なう過程で、リリースしたプロダクトがクローズしてしまった経験が現在につながっています。5年以上前のことですが、当時リリースしたプロダクトに対して「こんなものが欲しかった」といった高評価をいただけていたものの、私たち自身がビジネスの伸ばし方についてまだわかっておらず、クローズせざるを得なかった。そういった苦い経験から、どうすればデザインの先にあるビジネスを伸ばすことができるのだろうと考え続けた結果、デザインだけではなく、ビジネスグロースに対してもコミットするデザインコンサルティングファームとしての現在の事業に行き着きました。

いくら優れたデザインであっても、その後の販売促進の段階でプロダクトの考え方やサービスが目指す方向性とブレてしまうと、デザインとビジネスがうまく噛み合わなくなってしまいます。それではユーザーは離れていってしまいますし、ビジネスを継続することができなくなってしまう。製品のデザインとマーケティング、そのどちらも一気通貫した同じ考え方のもとで実施することで、はじめてビジネスが成長するための車輪を回すことができると考えています。

––セブンデックスではプロジェクトに対してどのような姿勢で向き合っていますか?

堀田:セブンデックスの行動指針の一つに、「これでいいじゃなくて、これがいい」といったものがあります。リサーチ、デザイン、ビジネスそれぞれの領域において妥協のないクオリティにまで磨き上げていくことを日々実施していることがこの言葉に表れていて、すべてのプロジェクトにおいてこのような姿勢で取り組んでいます。

堀田さん

中村:各領域におけるクオリティを担保するためにスキルを磨くことは大前提としてありますが、我々はそれよりもマインドセットを重視しています。クライアントの課題に対して、クライアントと同等もしくはそれ以上に自分事として向き合い、お客様からの依頼だからという理由だけではなく、自ら主体的に考えてコミットする姿勢を大事にしています。

現在あらゆる領域でデジタルトランスフォーメーションの必要性が謳われていますが、どうしたらいいのかわからないという方々がほとんどで、そういった状況に対して外部から「正しさ」を提示することよりも、クライアントが抱える問題に対して同じ視点に立ち、共に悩みながら、半歩先を指し示すことこそが、プロジェクトを成功に導くために必要不可欠です。これまで数多くのプロジェクトを手がけてきましたが、クライアントからいただいたフィードバックはどれもポジティブなものばかりで、実際のグロースだけではなく、我々のそういった姿勢を評価いただけているのではないかと感じています。

–これまでクライアントからの言葉で印象的だったものはありますか?

中村:以前、大手コンサルティングファームや名だたるデザインファームが参加したコンペにて、ありがたいことに我々をパートナーとして選んでいただける機会があったのですが、クライアントからは「お話を聞いていていちばんリアルだった」という言葉をいただいたことがとても印象に残っています。我々の提案に対して、デザインとビジネスの専門性だけでなく、事業成長のプロセスを具体的にイメージしやすかったのではないかと思っています。

––セブンデックスではどのようなメンバーが働いていますか?

中村:デザインのことを理解した上で、グロースについて同じように議論ができるスキルセットを持ったメンバーが働いています。優れたデザインとコンサルティングという一気通貫したビジネスソリューションを提供できることが我々の強みであり、ビジネスを継続することではじめてユーザーに価値を提供できるという同じ想いをもったメンバーと共にプロジェクトに臨んでいます。

––最後に、今後の展望についてお聞かせください。

堀田:事業成長のためには、ビジネスとデザイン、テクノロジーの3つが優れていなければならず、そのどれかが欠けた状態でのグロースは難しいと考えています。ユーザー体験を考慮しすぎるあまりマネタイズのための導線がない状態でのサービス継続は難しいですし、逆にマネタイズを考慮するあまりユーザー体験を損なうデザインではユーザーは離れてしまう。それぞれのバランスを見極める必要があり、事業継続にはその視点が不可欠です。

今後は、我々の強みであるビジネスとデザインに加え、テクノロジー領域にも進出することで、あらゆる事業成長をサポートできる体制をつくりたいと思っています。事業のグロースに対してお悩みを抱えているさまざまな方々に、パートナーとしてまず最初に我々の名前を思い浮かべてもらえるような、そんな会社にしていきたいです。

中村:私たちはデザインとマーケティングの両輪でビジネスグロースのための戦略をご提案し続けていますが、現在それぞれが切り離されて捉えられてしまっている社会の状況を変えるために、ビジネスデザインの領域を拡張していきたいと考えています。クライアントからご相談いただいたサービスやプロダクトのビジネスフェーズに応じて、常に最高水準の提案ができるデザインコンサルティングファームとして、これからもクライアントのパートナーとなり伴走していきたいです。

中村さん、堀田さん

写真:中川良輔 取材・文・編集:堀合俊博(JDN)

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